111回目:市の公募に入選した絵(2)
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4月の初旬。
入選した絵が帰ってきた。
私の中では、思ったより多くの方々に見ていただくことができたと思う。
知り合いに葉書でお知らせをして、数人は実際に美術館へ足を運んで下さった。
「しばらく座って眺めました」と言ってくださったり
「こおさんが頑張っているんだなぁって思ったよ」とか
「2枚出したら、入賞していたかもね」
どうやら絵を描く方々の間では公募で入賞を狙うなら二枚というセオリーが定着しているらしいこともはっきりとわかった。
見にきて欲しかった人がいた。
母と兄弟に見て欲しいと思った。
私は、そう思えたことに感謝した。オリンピック選手が「金メダルを獲ったら、誰に見せたいか?」「母です(父です)」という、あの言葉がようやく理解できた気がした。
どうやら見に行ってくれたようであった。
私は自分の兄弟をそんな人だとは思っていなかった。
母が「車ですぐに連れて行ってくれたのよ。こんな大きな絵を描くとは思わなかった」と言っていたよ」と兄弟の感想まで教えてくれた。
親しくしている親戚達は見に行った様子はなく「やはり親戚は親戚なのかなぁ」と思った。
一つ、また「後悔」が減っていく。
私は、一つずつやりたかったことを事を潰していっている。
昨年、「来年は個展をやりたい」と思いついたが、大きな絵の搬入は自身ではできない上、車を運転できる友人は県外にしかいないので画材屋さんに「個展をする場合の絵の搬入料金」を聞いたところ、約22000円だった。
正直、私はそこまでして自分の絵を誰かに見てもらいたいという情熱が今はない。
料金を具体的に知ると、公募で絵の搬入(画材屋さんへ依頼して支払い)と出品(市の美術館に支払い)で1万円は超えない費用なので、入選すれば多くの人に絵を見てもらえるというこの公募はありがたい。※出品は絵画一枚。
今年に入り、美術館の貸ギャラリーの申し込みをしておいたが、書類審査で落ちた。
絵画教室などのグループ展申し込みであれば審査に通りやすいようだった。
日本画を描きたくて、図書館から数冊本を借りて、読んでみた。
それが今年の春。
そもそも絵を描くというのは本当にお金のかかることなのだが、日本画も然り。
日本画は鉱物などの自然のものからできている色の粉を膠(にかわ)で溶く。それが絵具になる。そこらの砂を取ってきて絵具にすることもできる。ただ配合の比率などは、自分が研究していかねばならないが。
絵を描くというのは、なんのジャンルであれ、なんと画材代のかかることか!!
しかしながら、その本を読んでいると日本画では輪郭線をとるのに「隈取り」という工程があるのだが、墨と硯を使うらしい。
私は書道の道具を持ってはいたが、何年も使用しなかったため、2年ほど前に書道道具を処分してしまったのだった。書道をしていた時は、絵に使おうなどと思ってもみなかったのだ。
今はもう、日本画に拘っていないが、人物を描きたいと思った。
私は人間が苦手で今まで模写以外で自身が創作して人物を描いたことがなかった。
人物を描きたいと思ったのは、ロシアで戦争が始まってしまったこともあるし、たまたま見たドラマの画の撮り方が美しかったのと俳優さんの演技に感動したことがきっかけだと思う。
しかしながら、漫画っぽいキャラ以外で人物をほとんど描いたことがなかった私は今、近所の安いデッサン会に月一回参加させて頂いたり、家で模写したり。
あんなに嫌だった自画像まで描いている。
それは人間の体の構造や筋肉、骨がどういう風に見えて「人」と作っているのか、真面目に描こうと思ったからだ。
手を抜くわけにはいかない。
見る人に見抜かれる。薄っぺらい絵だという事を。
そんなものをこの画題で私は描くわけにはいかないのだ。
私は一日一日を大切に生きている。
それは「今日死んでも、ほぼ悔いがない」と思えるように過ごしている。
毎日、絵を描くようになった。
この人物画であるが、来年、賞金が出る市の公募に出品しようと思う。
絵というのは、人に見ていただかないと意味がないと思っている。
もちろん、自分だけの楽しみという事もあるだろうが、私が今、描こうとしている画題は人に見て頂きたい、そして、考えて欲しい、問題提起をしたい作品だ。
今まで、絵を描く事が怖いと思ったことはなかったが、最近は怖くて仕方ない。
「人」を描くというのが、私は怖いのだった。
私が伝えたいことをこの架空の人物によって、伝わるだろうか。
伝わってほしい。そう願わずにはいられない。
まだ構図もしっかり出来ておらず、何をしている時でも絵のことを考えてしまう。
年末までに描き上げることができますように。
神様。。。
ダメでも入選、欲張って入賞を狙う。
多くの人に見て頂きたいと思っている。
追伸:
たまに、この公募についてのブログは一人二人、読んでくださる方がいて。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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